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[講習レポート] 妊婦さんの腹直筋離開が赤ちゃんの口腔に与える影響

目次

腹直筋離開の影響

腹直筋は人間にとって体を支え、動くときの主な筋肉です。

腹筋するときのお腹の真ん中の筋肉です。

この腹直筋が開いてしまうと

妊婦さんにとっては

  • 便秘
  • 分娩時に、いきみにくい
  • 姿勢が崩れやすい
  • 腰・骨盤の痛み
  • 骨盤内臓器の脱出症
  • 腹圧性尿失禁・便失禁

その結果、胎内で屈位が取りにくくなってしまい、頭が反った状態になりやすくなってしまう報告が多く聞かれる。

赤ちゃんにとって

  • 便秘
  • 屈筋群が使いにくい
  • 仰臥位が苦痛で眠りにくい
  • 哺乳が苦手
  • 体幹の支持力が弱いため這い這いが苦手

その結果、生まれてきた赤ちゃんは反り返って体を伸ばすことばかりになる。

このような体制が「次の発達にどう影響するか」という点に視点を向けることが大切です。

赤ちゃんの抱き方・寝方に注意

体位変換時は必ず頭を支える。

抱くときの注意

  • 首に必ず手を添えて抱き上げる
  • 首が後ろに倒れないように丸い抱っこ
  • 縦抱きはしない
  • 首・方が凝っていたらほぐす。
  • 手を当てて温める。入浴時特に

口を閉じて上に首を傾けると喉が貼って苦しいと思います。

口を開けることにより楽になります。

つまり頭をのけぞらせると口を閉じるのが難しくなります。

ご自身が頭を上にあげている状態でツバを飲んでみてください。

非常に飲みにくいのがわかります。

赤ちゃんも同じで非常に嚥下しにくい状態となります。

そのため

顎が引けるように姿勢の注意します。

首、肩がこると顎が引きにくく口が開きやすくなります。

赤ちゃんの支え方(能力に応じて変えていく)

新生児

寝かせる時

  • 向き癖をつけない
  • 体位変換をしてあげる
  • コリがあったら取る。

抱く時

  • 後頭部・首・肩・肩甲骨・肘・脚のすべてを支える(丸い抱っこ)

乳児

抱く時

  • 重力に負けないように支える
  • 自分で頑張らなくてもよいように、どこを支えなければならないか成長により変化する

背中のしわ

しわが出来ている所は筋肉を縮めて使っている所で頭の重さを十分支えてもらっていないことにより、赤ちゃんが首や背中、肩を緊張させている証拠で、支えが足らない場所です。

自分で立ち上がる前に足を床につけるような縦抱きは避けるべきです。

顎が引けるように注意する。

ご自身で顎を引くと口が閉じるの実感出来ると思います。

足が見えるように顎を引く(自分の認識)→腹筋がつく→排便がしやすく、お口ぽかん対策となります。

特に小さい時が治しやすいです。

3か月の基本姿勢(腹臥位:這い這い)

良好

  1. 肩の引き下げ
  2. 腕で体を支える
  3. 首は伸びる
  4. 顎を引く

不良

  1. 肩が引き上げられている
  2. 腕で体が支えられない
  3. 首が後方に曲がる→口ぽかん

まとめ

お口ぽかん対策は胎内から

妊娠中

  • 正常分娩を目指す(屈位)
  • お腹を張る生活注意

生まれてから

  • 丸い抱っこが出来るように首・肩のコリを取る
  • 縦抱っこは、ぽかん口になりやすい
  • 頭・首を特に注意
  • 反らせた姿勢にさせない

最後に

腹直筋が開いている状態ですと、ご自身も赤ちゃんもつらい状況です。

このような状態になった場合は、ベテランの助産婦さんにお願いすると、腹直筋の離開を改善されることが可能だとお話を伺いました。妊娠中にお腹が張ってると感じた時は助産婦さんと相談してみるのも手だと思います。

また反ゾリの状態で生まれてしまいC字型に抱っこできない時も助産婦さんにお願いすると改善することが可能で、見つけ次第すぐにお願いすると効果的とお話を伺いました。

お腹の中から無理な体制だと骨の成長方向もかわります。歯並びに関しては妊娠中から1歳までに80%が完成して、残りの20%は6歳までに完成します(機会があれば別記事で説明します)。

それ以降の歯科矯正は曲がった体に無理やり歯を並べるもので見かけ上きれいにします。形態は回復することは可能ですが機能を回復出来たか?という所まで考えると、実は歯並びは妊娠中から重要と言うことになります。

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この記事を書いた人

歯科大学卒業後、小児歯科を専攻として大学院を卒業し博士(歯学)号を取得。大学の小児歯科教室で教員を務めた後、地元で小児歯科を専門として開業しつつ、大学の非常勤講師(小児歯科)に任命中。小児歯科学会の認定医、専門医試験に合格して現在は専門医の資格を所有。小児歯科を専門とした歯科医師です。

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